田中 柚希(Yuki Tanaka)

RESEARCHER

田中 柚希(Yuki...

プロフィール

1997年生まれ。東北大学客員准教授。
東京科学大学 大学院にて博士号(理学)を取得。身体的性差による制約をバイオテクノロジーで克服し、誰もが自由に自己実現できる社会を目指す。その志のもと、生殖生物学およびゲノミクスの研究に従事。現在は、独立系研究者として、食経験の長い麹菌から母乳の主要成分を再現し、商用化を目指すプロジェクトを研究と事業の両面から牽引している。

主な実績・採択歴

  • 2026年度 SBIR「BRAIN フェーズ0(SAC候補者)」採択

  • 2026年度 NEDO「NEP 開拓コース」採択

  • 2025年度 女性リーダー支援基金「一粒の麦」受賞

  • 2025年度 GTIE「WISER GAPファンド インキュベーション枠 最優秀賞」受賞

  • 2025年度 GTIE「WISER GAPファンド インキュベーション枠」採択

  • 2024年度 JST 「早暁」Stage 1 採択

  • 2023年度 理化学研究所リサーチ・アソシエイト 採択

  • 2023年度 IPA「未踏アドバンスト事業」採択

研究題目

母乳タンパク質の機能性評価

研究キャッチコピー

母乳タンパク質の機能を評価および再現し、母乳に近い乳児用ミルクの実現を目指す。

研究ビジョン

世界保健機関(WHO)が乳幼児の健やかな成長のために母乳育児を推奨しているように、母乳には代えがたい成分が豊富に含まれています。これらの成分の多くは母乳からしか得られない貴重なものでしたが、バイオテクノロジーの進展により、微生物や培養細胞を活用して母乳特有の希少成分を生産することが可能になりつつあります。

すでに、ヒトミルクオリゴ糖(HMO)などについては、微生物を用いた生産の社会実装が進んでおり、諸外国では乳児用ミルクに添加され、販売されています。さらに現在は、母乳中のタンパク質などの高分子化合物を乳児へ届けるための取り組みが大きな注目を集めています。
しかし、微生物を用いて生成されたタンパク質は、宿主となる微生物の種類によって、糖鎖修飾などの翻訳後修飾の様態が異なります。主要な成分については先行研究が進んできましたが、いまだ詳細な解析がなされていないタンパク質も存在します。こうした微細な差異が、機能性や消化吸収にどのような影響を及ぼすのかを解明することは、安全な次世代の栄養供給を実現するために必要不可欠です。

本研究では、複数の異なる宿主から得られた母乳タンパク質について、その機能性や消化耐性を定量的に評価します。この研究で得られる科学的基盤をもとに、母乳の組成に限りなく近い乳児用ミルクを開発することで、子どもたちの健やかな成長を支えるとともに、多様な育児環境に寄り添い、子育て世代が安心して歩める社会の実現に貢献します。