大森 徳貴(Satotaka Omori)

大森 徳貴(Sato...
プロフィール
1995年生まれ。東北大学客員准教授。
東京大学 理学部を卒業後、同大学 大学院博士課程にて博士号を取得(生物科学)。博士課程では、老化細胞の生存メカニズムおよびその生物学的意義の解明に取り組んだ。
マサチューセッツ工科大学(MIT)のBroad Instituteに留学し、AIを用いた新規老化細胞除去薬の開発を推進。その成果を基盤に、シリコンバレーにてスタートアップを共同創業した。
現在は、Integrated Biosciencesにて細胞および個体レベルでのアンチエイジング創薬研究に従事し、人々の健康や疾患予防への貢献を目指している。
主な実績・採択歴
2020年度 日本学術振興会「特別研究員(DC1)」採択
2020年度 東京大学 医科学研究所「学生最優秀論文賞」受賞
CNS(Cell, Nature, Science)誌およびその姉妹誌に、計10報の論文を掲載
研究題目
マルチオミクス臨界スローイング・ダウンによる個体レベル老化転換点の予測と解明
研究キャッチコピー
「老化はいつ・なぜ加速するのか」に、体内時計の乱れと分子の揺らぎから答えを。
研究ビジョン
近年、老化は一定のペースで進むのではなく、特定の時点で急激に加速することが明らかになりつつあります。しかし、「いつ・なぜ・どの分子から老化が加速し始めるのか」という問いに対し、個体レベルで予測し、介入できる具体的な方法は存在しません。
この課題を解決する上で最大の障壁となっているのは、老化が加速し始める「転換点」を事前に検出する手段がなかったことです。従来の老化研究は、「ある時点での生物学的年齢」を測ることに集中しており、転換点直前の前兆シグナルを捉えることができませんでした。さらに、この転換点を引き起こす日常的な環境要因についても十分に解明されておらず、予測から創薬へと直結する一貫したアプローチが欠如しているのが現状です。
本研究では、生態系崩壊や金融危機の予測に用いられてきた「臨界スローイング・ダウン(CSD)」という概念を、老化生物学に個体レベルで初めて適用し、老化の転換点の予測に挑みます。これにより、老化加速の前兆を個体レベルで予測する新たな枠組みを構築し、「転換点直前に介入する」という次世代のアンチエイジング戦略と創薬の科学的基盤を確立することを目指します。