宮田 寛生(Hiroo Miyata)

RESEARCHER

宮田 寛生(Hiro...

プロフィール

1999年生まれ。東京大学在学中より神経科学研究に従事し、CTOとしてスタートアップを共同創業。DEEPCORE(VC)ではディープテック領域のスタートアップ投資を担当し、シーズ技術の技術評価・市場性検証を行った。現在は、カーネギーメロン大学にてBrain-Computer Interface(BCI)の研究開発に取り組み、神経活動と行動データから motivation(動機づけ)を定量化し、状態に応じた介入・最適化につなげる手法を研究。意思決定やパフォーマンスを左右する内部状態を推定・制御する枠組みとして、臨床・産業で運用可能な神経技術への展開を目指している。

研究題目

侵襲/非侵襲脳活動を用いたうつ状態の客観的評価

研究キャッチコピー

脳状態に応じて精神疾患を最適に治療する社会へ。
患者の行動や会話には現れない脳の内部状態を読み解く。

研究ビジョン

うつ病は生涯罹患率が10%と非常に高く、生活機能低下・自殺リスク・労働損失などの社会的負担が極めて大きい一方で、その診断と治療選択は依然として症状評価と試行錯誤に強く依存しています。病態や治療反応に個人差が大きいにもかかわらず、「いま脳がどんな状態にあるのか」 を示す客観的指標が乏しいことが、早期介入の遅れや無効治療の長期化につながっています。そのため、脳計測に基づく客観的な “病態の定義” の確立は、医療・社会の両面で喫緊の課題です。 

本研究は、「Toward an objective definition of Depression from Brain recordings(脳記録に基づく抑うつ状態客観的定義を目指して)」を掲げ、抑うつを客観的な「脳状態」として定義し直します。具体的には、多チャネル脳活動を潜在状態をもつ多次元ダイナミクスとして表現し、うつ病前/うつ病中での状態空間の幾何学と状態遷移(力学特性)を状態空間モデルとして推定することで、抑うつエピソードに固有の状態構造を同定します。

さらに、推定した脳状態の遷移と行動ダイナミクスの結合を解析し、抑うつ期に観察される複数の行動指標が相互に影響し合って自己強化的な悪循環を形成するという仮説を、反証可能な形でモデル化・検証します。