奈須野 文槻(Fuzuki Nasuno)

RESEARCHER

奈須野 文槻(Fuz...

プロフィール

1996年生まれ。東北大学客員准教授。

2020年、東京大学 医学部を卒業。2022年に同大学 大学院総合文化研究科にて修士(学術)を取得し、現在は同研究科 科学史科学哲学研究室の博士課程に在籍。

医学史および科学技術社会論を専門とし、医療情報の歴史や専門家コミュニケーションの研究に取り組む。これまでに、科学技術政策等のプロジェクトやCOVID-19のリスクコミュニケーションに関与したほか、外資系コンサルティング会社にてR&D支援等に従事。現在はNPO法人モチコマの理事長も務め、若者のアカデミックな活動を支援している。

主な実績・採択歴

  • NPO法人モチコマ 理事長

  • 新型コロナウイルス感染症専門家有志の会 サポーター

  • 東京大学 知能社会国際卓越大学院プログラム

  • 東京大学 科学技術インタープリター養成プログラム

研究題目

AI for Scienceの科学論――なぜ、そしてどのようにAIは科学を変革できるのか

研究キャッチコピー

紙とペンを使った20世紀の科学は、コンピュータを生み出した。コンピュータを使った21世紀の科学は、AIを生み出した。AIを使った科学は、何を生み出すのか。

研究ビジョン

近年、「AI for Science」と呼ばれる領域では、AI技術を活用した新発見・新発明が次々と生まれており、科学研究のあり方そのものを大きく変革する可能性が示唆されています。しかし、近い未来において科学研究の「何がどう変わるのか」について、誰も確証を持てていません。

この背景として、なぜAIに科学ができるのか、科学のどの部分が代替されるのかといった「科学技術論」の観点からの検討が不十分であることが挙げられます。「科学者が職を失う」といった短期的な不安が先行していますが、現在、自明とされている「実証実験」や「客観性」といった科学の価値観も、歴史の中で構築されてきたものです。つまり、AIの台頭によって科学の当たり前やルール自体が変容する可能性があります。しかし、それがどのように変化し、科学者という職業のあり方にどう影響するのかという中長期的な分析は欠如しています。

本研究では、過去の情報技術が科学をどう変化させたかを歴史的に振り返り、AIが科学研究に与える影響と変革を「根拠ある分析」によって明らかにします。これにより「AI for Science」が科学方法論にもたらす変化を解明し、制度見直しを迫られる科学教育や政策の現場へのエビデンスとして提供します。最終的に、若手科学者への教育支援やAIを前提とした研究制度の設計につなげ、誰もが次世代の研究へ効率的に従事できる社会の実現を目指します。